相続について:鯖江市の税理士法人川中経営 › <02>遺言のあらまし: 2007年2月アーカイブ

なぜ、遺言をした方がよいのか

メリット
・自分の思い通りに財産の処分ができます。
遺言をしていないと、相続人間の遺産分割協議や法定相続分で相続され、
被相続人の意思が反映されません。
遺言をしておけば、自分の意思に沿った相続が行われます
(但し、遺留分の制限を受けます。)

・死後に紛争を残さないようにできる。
遺言で遺産分割、子の認知、マイナス財産の処理方法などを
明確に指示しておくことによって、
死後の紛争・問題を未然に防ぐことができます。
例えば不動産の名義変更登記にしても、
普通は相続人全員の同意がなければ名義変更が出来ませんが、
遺言が有れば(他の相続人の同意を待たずに)
相続人一人で名義変更の登記が出来ます。


遺言にはどんなことを書くか

遺言書に何を書こうと自由です。
但し、遺言で法律上の効力を持つ民法の行為は下記に限定されています。

1.財産処分に関すること
   ・・・財産の遺贈、寄付、信託等。

2.身分に関すること
   ・・・後見人の指定や子の認知に関する事等。

3.相続に関すること
   ・・・指定相続分や遺産分割の方法、相続人排除等。

4.遺言執行に関すること
   ・・・遺言執行者の指定・委託等。


遺言の方法

では実際に遺言をするにはどの様な方法が有るのでしょうか?その方法を見てみましょう。

1.普通の方式(民法967条~)

2.特別の方式(民法976条~)

 


検認手続き

自筆証書遺言、秘密証書遺言の場合必要となります。

上記遺言書は、死後発見してもすぐに開封することはできません。開封する前に家庭裁判所へ持って行って、「検認手続」というものをしなければなりません。これは遺言が遺言者の意思によって作成したものかどうかを確かめ、遺言書の偽造や変造、紛失を防止するために必要とされています。検認手続が終わるまで相続人は遺言の内容を知ることはできません。

この検認の手続をしないで遺言書を開封しても、遺言が無効になるわけではありませんが、その開封した人は過料に処せられることがあります。


遺言の方法のまとめ

 

証人立会人

作 成 者

日 付 検 認

自筆証書

 遺言

不 要 本 人 自 筆 必 要

公正証書

 遺言 ◎

証人2人

公 証 人

公 証 人

不 要

秘密証書

 遺言

公証人と証人2人

自筆でないとき申述が必要

封入した封筒に関係者が署名捺印

必 要

遺留分とは(えっ私にはもらえない?)

遺言状に、自分には財産はやらないと書いてあった場合、
もう財産は貰えないのでしょうか?

ご安心下さい。
民法により最低限財産を貰う権利が保障されています。
この権利のことを遺留分と言い、
相続人の構成に応じ下記のように定められています。

この権利を主張することを「遺留分の減殺請求」と言い、
時効は10年となっています。

なお、残念ながら相続人の兄弟姉妹にはこの権利は有りません。

遺留分の割合は次の通りです。


参考:法定相続人と法定相続分と遺留分 法定相続分と遺留分をまとめると下記のようになります。

 

 

法 定 相 続 人

法定相続分

遺留分

配偶者及び子がいる場合

配偶者

2分の1

4分の1

2分の1

4分の1

配偶者がいて子がいないが直系尊属がいる場合

配偶者

3分の2

3分の1

直系尊属(父母や祖父母など)

3分の1

6分の1

配偶者がいて子も直系尊属もいない場合

配偶者

4分の3

2分の1

兄弟姉妹

4分の1

 

直系尊属のみ

直系尊属

 

3分の1

 


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