相続について:鯖江市の税理士法人川中経営 › <06>相続時精算課税制度: 2007年2月アーカイブ

2,500万円までは贈与税がかからない

●従来の贈与税は、相続税を補完する仕組みで課税されており、一般的に相続税の課税逃れを防ぐため、

将来相続税を払う見込みのない親からの贈与も含めて課税対象とされていました。

●今回導入された相続時精算課税制度では、選択制の下、相続税と贈与税を一体にし、

贈与の時の税金を安くして、相続のときに相続税で精算することができるようにしました。

●この制度によれば、親から子供へ財産を生前に贈与しても、相続させてもトータルの税額は同じになり、(注)

特に将来相続税を払う見込みのない親からの贈与については、トータルの税額がゼロとなりますので、

今までよりも子供への贈与がしやすくなると考えられます。

(注)時の経過や制度の変更に伴う、贈与・相続財産の評価額の変動はないものとします。

 


相続時精算課税制度のあらまし

平成15年1月1日以後に、65歳以上の親から20歳以上の子である推定相続人(子が亡くなっているときは20歳以上の孫を含む)が財産の贈与を受けた場合には(年齢は贈与の年の1月1日現在のものです。)

●財産を贈与した人ごと(父又は母あるいは祖父又は母ごと)にこの相続時精算課税制度を選択することができます。

●相続時精算課税制度を選択した場合は、その後 2,500万円までは、贈与税がかかりませんが、2,500万円を超える部分は、一律で20%の税率で贈与税が課税されます。

 


相続時に精算
●相続時精算課税制度を選択し、その贈与者が亡くなったときに相続税を計算する場合は、亡くなった時の財産の価額に、相続時精算課税制度を選択した後に、その亡くなった人から贈与により取得した贈与財産の価額(贈与時の価額)を加算して相続税額を計算します。

●相続税額を納付する際、生前贈与課税制度を選択した後に支払った贈与税額は、相続税額から控除します。それでも控除しきれない金額は還付されます。


従来どおりの贈与税
●暦年(1月1日から12月31日までの1年)課税制度。その年に贈与を受けた全ての財産の価格から基礎控除110万円を控除し、控除後の課税価格にそれぞれに応じ速算表で計算し、納税を行います。

●その贈与者が亡くなったときに相続税を計算する場合は、亡くなった時の財産の価額を基に相続税額を計算し、原則として以前に贈与を受けた金額は加算しません。
ただし、相続開始前3年以内に贈与を受けた財産の価格は加算する必要があります。


相続時精算課税制度を選択するには・・・
●財産の贈与を受けた者が、その贈与について、選択しようとする時は、その贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、相続時精算課税制度を選択する旨の「届出書」を「贈与税の申告書」とともに提出しなければなりません。


一度選択すると後撤回は出来ません

●相続時精算課税制度の「届出書」を提出して選択適用されますと、その「届出書」に記載された贈与者からの贈与については、その贈与者が亡くなるまで適用が継続され、選択を撤回することは出来ません。

●選択した後の贈与については、贈与税の期限内申告書を提出しなければ、2,500万円の特別控除の適用を受けることが出来ません。必ず贈与の金額を問わず贈与税の申告が必要になります。


期間限定

 65歳未満でもOK

 ●相続時精算課税制度において、平成15年1月1日から平成17年12月31日までの間に、「住宅取得等のための資金」の贈与を受けた場合

 ●3,500万円(特別控除額2500万円に1,000万円の住宅資金特別控除額を上乗せ)までの「住宅取得等のための資金」には贈与税がかかりません。

 ●その贈与をした親が65歳未満であっても「相続時精算課税制度」を選択することができます。

この場合、贈与を受ける子は、その贈与を受ける年の1月1日において20歳以上でなければなりません。

その後、その贈与者からの贈与については、相続時精算課税制度が継続して適用されることになります。

 


住宅取得のための資金」とは・・・
●次のいずれかに掲げる新築、取得又は増改築等のための資金をいいます。
イ 住宅用家屋の新築又は建築後使用されたことのない住宅用家屋の取得
ロ 既存住宅用家屋の取得
・マンション等の耐火建築物は築後25年以内
・耐火建築物以外のものは築後20年以内
ハ 住宅用家屋の増改築
(注)イ、ロ、ハともに建物の敷地用の土地等を含みます。